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〜ご案内〜

1.はじめに

 私が廃止競馬場巡りを始めるにあたって、三方向からのアプローチがありました。

 私の実家の近所には、いくつかの廃城が眠っています。城郭といえば壮大な天守閣を備えた名城を連想しがちですが、その規模は様々で、小規模なものは戦の際の砦までも城郭と定義される事があります。
 私の実家の近所の廃城はまさに後者の砦的な廃城が多く、しかも軍事的要衝に造られているものだから、その眺めは絶景。散歩がてら山に登って、わずかに残った石垣に腰かけ物思いにふけると、何ともいえない感慨を覚えます。

 ここ数年、廃線跡(未成線跡)巡りというものがブームです。草むらに埋もれたレールやキロポストを探し求めて山道を散策する、宝探しとハイキングを兼ねたようなそのスタイルが受けているのだとは思いますが、廃線の多くがその歴史的使命を終えひっそりと眠っている、そんな彼らへの敬意を込めた巡礼の旅ともいえ、その旅一つ一つが労いの墓標となって長く旅人達の中に残っていく、そんな気がします。

 そこで、競馬ファンの私が登場します。
 私自身、コアな競馬ファンを自認していたのですが、どういう訳かここ数年の競馬が面白くない。漠然と面白くはないのだが、その理由が見当たらない。アラブ系競走を追いつづけていた私にとってJRAでのアラブ競走廃止がそういう減退感に追い打ちをかけたのは確かなのですが、理由はともかく、春秋はGI連闘、夏はローカルシリーズと走り回った私がうそのように、競馬がつまらなくなったのです(従って、今の私に「今週の展望」とかを聞かないでください。うそかと思うかもしれませんが、今年のダービー馬の名前すら記憶に残っていないくらいですから)。

 そんな自分は本当に競馬が好きだったのか、一度リアルな競馬を離れ、ちょっと変わった「競馬」というものを試してみようと模索していました。そういうときは原点に還るのがセオリーなのですが、原点に戻って過去の競馬を省みたとき、かつて多くの競馬場があったことを思いだし、そこが今どうなっているのかを現状調査することで、競馬ファンとしての自分を再確認していこう、と漠然と始めたのが、この廃止競馬場巡りです。歴史ファンが地元の文献を参考に廃城を探し求めるように、競走馬達が闘った蹄跡を探し求める旅が始まったのです。

 最初は市販の廃線巡りガイドに沿って巡る初心者のようなノリで、始めたのですが、始めに訪れた競馬場(跡)で、この競馬場と所縁の深い方にこう告げられ、私の方向性を決定的に位置づけられました。
 「競馬場の歴史なんか、誰も振り返らない。そんな資料なんかどこにも残っちゃいない。だけど確かにそこに競馬場があったのだから、そういう歴史を残していって貰えると嬉しい。」
 そういわれれば、現在の競馬場に続く限られた跡地以外に、競馬場跡の記念碑を見ることはありません。人間に例えれば墓も残してもらえないのと同然です。如何に競馬場が地元では負の歴史として認識されているか再確認する、辛い旅でもあります。
 しかし、今記録を残さなければ歴史は永遠に失われます。でかいことを言ってしまえば、不必要な歴史は淘汰されていく、「歴史の必然性」への挑戦かもしれません。私自身は、競馬場の歴史が再認識されないまま埋もれゆくのをただ「もったいない」と思って巡っているだけですが、それが廃止競馬場の再評価につながり、ささやかな墓碑となればと思っています。

 

2.このページを構築するにあたって

 ここでは、特に明治以降に行われた近代競馬の流れを汲む競馬場を中心にまとめて行きたいと考えています。古来より「競馬(くらべうま)」として行なわれてきた競馬や各地で行われてきた(あるいは現在も行なわれている)草競馬、非合法のヤミ競馬は当面の間除外します。
 現在中央競馬や地方競馬で行なわれている競馬場や、平行して同様にかつて全国各地で行われた競馬場を調査するだけでかなりの数に上り、正直なところそれ以外の競馬(くらべうま)やヤミ競馬までは手が回らないというのが正直な理由です。もちろん、調査するに従ってこれらも扱っていきたいと考えています。

 また、ここでいう日本の範囲については、大戦前後を通じて日本の統治が及んでいた地域をさします。当面は現在の国土の範囲ですが、かつては朝鮮半島や台湾、旧満州でも日本の内地法に準じて競馬が実施されていた記録が残っているようです。これらも今後扱っていきたいと考えています。

 廃止競馬場については、主に「日本競馬史」(日本中央競馬会編)や「地方競馬史」(地方競馬全国協会編)を参考にしています(これらの文献は協会内の内部記念誌で市販されていません。図書館等に収蔵されていれば閲覧できます)。ただしこれら資料の中でも他資料との比較で明らかに矛盾する点が散見されるため、私(くっしー)が補正できる範囲においては修正しております。
 実際に現地で確認作業を行った場合には、時間的に余裕がない場合を除いて現地の図書館で郷土史等を調査しています。写真等で注釈があるものについてはこれらの資料から引用したものです。

 

3.リンクについて

 本HPはフリーリンクサイトとします。リンクを張られる場合は自由に張って頂いて結構ですが、一言メールででもお知らせ頂けると非常に嬉しく思います。

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